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自治体オープンデータは、なぜこんなに形式がバラバラなのか — 地域メディア制作の現場から
同じ『ごみ分別』の公式情報でも、自治体ごとにCSV・PDF・50音辞典・専用アプリと公開形式はバラバラです。
地域生活メディアLOCALnaviの制作で直面した自治体オープンデータの実態と、市をまたいで一次情報を整える設計の勘所を、制作会社フロンティアラインの現場からまとめました。
株式会社フロンティアラインは、東京都内の暮らしの情報をまとめた 地域生活情報メディア LOCALnavi を自社運営しています。
その制作でいちばん手を焼くのが、実は「自治体が公開している公式データの形式が、市ごとにまったく揃っていない」という現実です。
今回は、地域メディアを作る現場から見えた自治体オープンデータの実態と、市をまたいで一次情報を整えるときの勘所をまとめます。
「機械が読める公式データ」は、まだ当たり前ではない
「ごみ分別」は誰もが調べる生活情報です。
ところが、その公式データの公開形式は自治体によってバラバラです。
デジタル庁の標準に沿った 機械可読なCSV をきれいに公開している市もあれば、PDFの一覧表しかない市、ウェブページに50音順の品目辞典を載せている市、分別を調べる専用アプリへ誘導するだけでデータ本体は表に出していない市もあります。
同じ「家庭ごみの品目と分別区分」という情報なのに、受け取る側の手間は市ごとに何倍も変わります。
この 形式の非対称性 こそが、暮らしの情報を「探しにくい」ものにしている正体のひとつです。
同じ「ごみ分別」でも、市ごとに整え方が変わる
LOCALnaviでは、各自治体の公式データを一次出典として、品目名から分別区分や料金をすぐ引ける共通フォーマットに整え直しています。
実際に整えた各市のページを見比べると、同じ「ごみ分別」でも元データの粒度や区分の設計が市ごとに違うのがよく分かります。
たとえば 武蔵野市のごみ分別ページ は、市が公開する50音順の品目辞典を読み取り、600品目超を検索できる形に整理したものです。
近隣でも、西東京市のごみ品目検索 や 八王子市のごみ分別、多摩市のごみ分別、東久留米市のごみ分別 と、市ごとに情報量も区分名も少しずつ異なります。
23区でも事情は同じで、中野区のごみ分別 のように独自の区分を持つ自治体があります。
こうした差を吸収し、どの市でも同じ操作感で調べられるようにするのが、地域メディア側の設計の仕事です。
横断して整えると、市の境界を越えた比較が見えてくる
一次情報を共通フォーマットに揃えると、単体のページでは見えない情報が立ち上がります。
その代表が 東京都の粗大ごみ料金の横断比較 です。
同じ電子レンジやソファでも、市によって処分料金が数倍違うことは、公的データを横断してはじめて可視化できます。
これは、行政が悪いという話ではありません。
自治体はそれぞれの制度でデータを公開しており、横断して整える役割 が制度の外に空いている、というだけのことです。
地域メディアは、その空白を技術で少し埋めています。
現場で確かめた設計は、そのまま制作に還元する
なぜ制作会社がここまで自治体データと向き合うのか。
その理由は、姉妹記事の AI検索時代に、制作会社が自社で地域メディアを運営する理由 でも書いたとおり、一次情報を機械可読な構造に整える設計こそが、AI検索に評価されるサイトの核だからです。
考え方の全体像は GEO(生成エンジン最適化)の完全ガイド にまとめています。
バラバラの公式データを相手に「どう構造化すれば検索やAIに正しく引用されるか」を実データで検証する。
その知見を、そのままお客様のサイト制作やAIO支援に還元する。
フロンティアラインは、地域の暮らしに関わりながら次の制作現場をつくる、その両輪でこれからも取り組んでいきます。